ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
私は、重くて、もうほぼ動かない体で

精一杯声帯を震わせた

「…………ふ………………ま……ギュ…………」

カスカスの小さい声で、楓摩に伝わったかはわからないけど……

楓摩は、私を見て、驚いたような顔をしてから、私を強く抱きしめてくれた。

「朱鳥っ……朱鳥…………頑張って…俺も、葉月も柚月も、みんな朱鳥を待ってるから!!…頑張れ……頑張れ……」

「……ぅ…………ん……………」

私、頑張れるかはわかんない…

だって、私、今日…死んじゃうかも……しれない…………んだよね……

私なりに…頑張る……

け…………ど…






ほら…

体が小刻みに震えてくる

楓摩が何かいっぱい叫んでるけど

それも遠くて、あんまり聞こえない

私は…………私は…

私は悲しそうな楓摩の顔を見ながら意識を飛ばした。
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