ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
病棟の端っこ

人気のない静かな廊下の先

寂しげな雰囲気の病室

コンコンッ

そうドアをノックする

だけど、返事はない。

カラカラッとドアを開ける音が響く。

「朱鳥、入るよー」

病室に入ると、酸素マスクをつけてスースーと眠る朱鳥。

碧琉くんの方を向くと、碧琉くんは少し驚いたような表情。

「少し驚いてる……?」

「…はい」

病室の入口で立ち尽くしている碧琉くんに手招きして、朱鳥のベッドの近くに来てもらう。

「見てもらった方早いと思ってさ。…朱鳥、見ての通りだけど、かなり容態が悪いんだ。」

「前苑……そんなに容態、悪いんですか…」

「うん。かなり。……それで、少し長くなるから、そこに座ってもらっていい?」

そう言うと、碧琉くんは小さく頷いて椅子に座った。
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