ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐

朱鳥side

ガンガンと痛む頭を誤魔化すようにギュッと目を瞑る。

さっき、楓摩と別れてから私は飛行機に乗った。

今回は、私の体調が悪いから…と、特別に広くて少し寝れる席を用意してもらった。

飛行機は動き出して、初めての飛行機に少し緊張したり、耳もキーンと痛い。

辛い…けど、アメリカに着いたら治療が始まって、そしたら病気が治るから……

元気になって、また家族で幸せな時間を過ごせる事と比べたら、こんな事くらい、なんてことなかった。

……まあ、なんて事無い訳じゃないけど…、頑張れた。

家族を思い出したら頑張ることができた。

持ってきたイルカの抱き枕、そして、ずっと前に楓摩に買ってもらったお揃いのペンダント。

ちゃんとお守りも持ってきた。

……きっと、これなら大丈夫なはず。

そう思えた。
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