ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐

電話

「もしもし、楓摩」

"もしもし。珍しいね、朱鳥から電話かけてくれるの。どうだった?治療の結果、出たんでしょ?"

そう聞いてくる楓摩の声は、いつもよりも優しい。

「うん。……治験…成功だって。私、病気に勝てた……!!」

"うん。その報告、ずっと待ってたよ。朱鳥なら、絶対大丈夫だ……って言ってたけど、実際に聞くと、本当に嬉しいね"

「うん、まだ、私も、あんまり実感湧いてない。……けど、もうすぐ、日本にも帰れるから」

"そっか。じゃあ、お祝いの準備しなきゃ!!…でも、それより、早く朱鳥に会いたいな。……帰ってくる日、空港で待ってるから"

「うん。待ってて。ちゃんと、元気になった私を見せるから!!」

"うん。楽しみにしてる。"

楓摩との電話は、ちゃんと自分が病気に勝てたって実感できて、さらに嬉しくなった。

そして、同時に、なんだか、胸がぽかぽかと暖かくなった。
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