ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
ピピピピピッ♪

ピピピピピッ♪

あれ……今、何時?

起きて、朝ごはん作らなきゃ…

そう思って、体を起こそうとするも、何故か、体が重くて持ち上がらない。

「朱鳥、おはよ。」

いつの間にか、楓摩はスーツに着替えていて、自分が寝坊してしまったのがわかる。

…でも、なんで、こんなに怠いんだろう……

なかなか回らない頭で考えていると、楓摩が私の頭を撫でてくれた。

「…朱鳥、ごめんね。無理させちゃったかな……。…多分、疲れからだと思うけど、熱あるから今日は安静にしてな。」

そう言って、楓摩が私に見せてくれたのは38.8と表示された体温計。

私、熱あるんだ……

「……でも、洗濯とか掃除とかしなきゃ…」

そう言って、無理に体を起こそうとすると、楓摩に止められた。

「今日は、家帰ってきてから俺がやるから、朱鳥は休んでて。今、お粥作ってきてあげるから、ちょっと待ってな。」

楓摩は、私の頭をもう一度ポンポンとすると、ベッドから立ち上がってキッチンに向かう。

……でも、なんだか今日は、それがものすごく寂しく感じる。

「楓摩……」

気がつけば、無意識に楓摩の服の裾を握っていた。

「ん、どうした?」

「………寂しぃ…」

私がそう言うと、楓摩は、いつもの優しい笑顔を浮かべて私を抱っこしてくれた。

「久しぶりに、朱鳥甘えてくれた。」

そういう声は、なんだか少しだけ嬉しそう。

私は、楓摩に抱っこしてリビングに連れてきてもらった。

「ご飯できるまで、ここでちょっと待っててね。」

ソファに寝かせてもらって、毛布をかけてもらう。

久しぶりの甘々な感じが、本当に嬉しいな……

…そんなことを考えていると、なんだかだんだん眠くなってくる。

楓摩がご飯を作ってくれているから、寝ちゃダメ。

起きなきゃ、起きなきゃって思うけど、瞼はドンドン重くなっていって、私はそのまま眠ってしまった。
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