ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
睡眠剤のおかげで、注射を打ってから、朱鳥はすぐに眠りについた。

そのタイミングで俺は、朱鳥を抱きかかえて、ベッドから立ち上がる。

そして、待機していてくれた看護師さんたちが手際よく、シーツや枕を変えて、ベッドメイキングをしてくれる。

「ありがとうございます。」

俺は、そう言ってから朱鳥をベッドに寝かせた。

掛け布団を肩までかけてあげて、朱鳥の手を握った。

とても、冷たい手。

それはまるで、朱鳥の恐怖や悲しみが、そこに出ているみたいだった。
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