ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
次の日

今日の朝の回診は、俺は付き添うけど、久翔に来てもらって、少しずつ慣れる練習をする。

朱鳥には、伝えてあるけど、それでもやっぱり不安そうな顔。

「朱鳥、大丈夫だよ。緊張したり、怖くなっても大丈夫。俺がついてるから、もう限界ってなったら教えて。」

そう言って頭を撫でてあげると、朱鳥は小さく頷いた。

コンコンッ

ドアがノックされる

それだけで、朱鳥は少し緊張した様子で、俺の手をキュッと握る。

「朱鳥、入ってもらうよ。大丈夫?」

コクン

「久翔ー、いいよー」

俺がそう言うと、カラカラッと病室のドアが開く。

握られた手にさらに力が入る。

「朱鳥ちゃん、おはよう」

朱鳥の方を見ると、朱鳥は少し息を荒くして、微かに震えている。

「朱鳥、大丈夫だよ。大丈夫。怖くない。」

そう言って、背中を撫でてあげる。

「朱鳥、久翔の顔見れる?」

ウウン

「…………息、苦し……………………もぅ、…むり……」

「うん、わかった。じゃあ、今日はここまでにしようね。」

俺は久翔に目配せをして、久翔は小さく頷いて病室から出ていってくれた。
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