ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
「…………でも、私、一人で頑張れる…」

朱鳥も、自分の心のどこかでは本当はもう、無理だってわかってるはず。

…だけど、朱鳥はまだ俺以外の大人が怖いのか、不安なのか、なかなか了承はしてくれない。

「…けどさ、朱鳥、辛いんじゃないの?」

「それは……そうだけど…」

「不安なのはわかるけどさ、1回、一緒にカウンセリング受けに行こ?俺もついていてあげるし、怖くないよ。それと、退院もさせてあげる。家に居れる方が、朱鳥もいいでしょ?」

退院 という言葉を聞いた途端、朱鳥がピクッと反応したのがわかった。

「……退院、できるの?」

そう、少し嬉しそうな表情で聞いてくる。

「うん。いいよ。その代わり、カウンセリング行ってくれる?」

「…………うん。わかった…」

「ありがとう。」

俺は、そう言って朱鳥の頭をポンポンと撫でてあげた。
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