ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐

朱鳥side

今日は、カウンセリングを受けにクリニックまで一人で行く。

……少し、不安だけど、これも慣れるためって楓摩が言ってたから…頑張ろうと思う。

クリニックまでは家から歩いて10分くらいだから、そのくらいなら大丈夫だと思う。

大丈夫、大丈夫。

深呼吸して、携帯電話とお財布、ハンカチとか必要最低限のものだけを持って、家を出た。

1人でマンションから出るのなんて、いつぶりだろ……

エレベーターでロビーまで降りて、エントランスを抜ける。

「こんにちは。」

エントランスを抜けたところで、知らないおじいさんに声をかけられた。

いきなり声をかけられた驚きと、知らない人ということで声が出なく、固まってしまう。

「………………」

「これから、お買い物?あれ、奥さん、お隣さんだよね。なんか、結構前から住んでるのに話したことはなかったよね~」

「………………」

どうしていいのか、わからず、でも話はどんどん進んでいき、軽いパニックを起こしてしまい、息が苦しくなる。

このまま、ここにいたら多分、過呼吸起きちゃう……

おじいさんには悪いけど、ごめんなさい!!

そう心で思いながら、少し小走りで逃げる。

すると

「なんだよ、無視かよ、感じわりーなー」

…………っ!!

ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……

どんどん呼吸が苦しくなって、涙が溢れてくる

そのせいか、歩く人々がジロジロと見てくる

嫌だ……嫌だ…………

怖い………

怖い…

「はぁっ……はぁ…っ…………」

足元がおぼつかなくなって、フラフラする

何とか道の端までよったけど、苦しすぎて座り込んでしまう。

どうしよう……

どうしよう…
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