ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
朱鳥が紙に書き出したこと

それは

・自分1人で育児が出来ないのが情けない
・人を頼れない
・人を信じることが出来ない
・どこかで疑っちゃう
・ちょっとしたことで怖くなっちゃうのが情けない

それだけでは収まらない

朱鳥は、涙を流しながら、沢山書き出す。

そして、最後には

・自分が嫌い
・自分なんて
・嫌だ

と何度も何度も同じことを書いた。

見ているのが痛々しいくらい書いた。

途中、もう止めようかと思ったけど、北斗に目配せで止められた。

「朱鳥さん、いっぱい書いてくれてありがとうね。ちょっと、それ声に出して一個ずつ読んでみてもらってもいい?」

……コクン

「自分、1人で育児が出来ないのが情けない」

「育児を1人でやろうとするのは日本だけなんだよ?育児っていうのは、夫婦2人で協力するものなの。朱鳥さんが大変な時は楓摩が支えて、楓摩が大変な時は朱鳥さんが支えてあげればいい。」

「……人を頼れない」

「むりに頼ることはないんだよ。でも、朱鳥さんが辛いなら俺たちはいつでも、喜んで手を貸すよ。」

「人を信じることが出来ない」

「それは、トラウマのせいだよね。人を信じるって、意外と難しいよね。だって、人は人の心が読めないからさ。信じるのはね、朱鳥さんが楓摩を信じているみたいに、ちょっとずつ、一緒に過ごして、安心してくれたらいいんだよ。信じれるのはすごいこと。」

そう言って、朱鳥が読み上げる度、北斗は前向きな言葉をかけた。

朱鳥は、涙声になりながらも、ずっと読み続けた。

これで、少し気が晴れるかな…
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