ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
「朱鳥さん」

「……はい」

「腕の傷、診てもいい?傷が深かったら、あとから大変だから、ちょっと診察させてくれないかな?」

「……………………はい」

消え入りそうなくらいの小さな声

たぶん、不安だし、自分がつけた傷と向き合うのが嫌なんだろう。

でも、いずれかはしないといけないことだから。

「ありがとう。じゃあ、ちょっと診るね」

腕を出してもらって、さっき巻き直した包帯をもう一度外していく。

ほとんどの傷は浅く、血も止まっているが、一部、少し深いのか、まだ血が出ているところもある。

でも、消毒してガーゼでも当てておいたら治るだろうな。

「朱鳥さん、ちょっと染みるかもしれないけど消毒してもいい?」

……コクン

「ありがとう」

できるだけ染みないようにと思いながら、少しずつ消毒をする。

でも、やっぱり少しは染みるようで朱鳥さんは顔を顰めていた。

その後、ガーゼを当てて、固定をしてから包帯を巻いた。

「はい、これで大丈夫だよ。お疲れ様。」

これで、今日の心の面でのカウンセリングは終わりでいいかな。
< 288 / 418 >

この作品をシェア

pagetop