ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
「………………腹立つ…」

そう言って、クリニックの壁を殴る楓摩。

「ねー、壁殴らないでー、穴空いたらどーすんの」

そう言って、楓摩の肩をぽんぽんと叩いてコーヒーを渡すと、楓摩は渋々ソファに座った。

「まあ、でも、アイツ本当に腹立つよね。」

「……うん。殺したいくらい」

「おいおい、医者がそんなこと言うなよー」

「でも…………ほんと、なんなんだよアイツ…朱鳥のことなんだと思ってんだ……クソ…。クソ………………クソッ…………………………!!!」

ポンポンともう一度肩を叩くと、楓摩はギュッと手を握りしめた。

「……ごめん。今日は、頭冷やしたいから、もう帰る」

半分泣いているような声でそう言った楓摩は、そのまま、少し乱暴にドアを閉めて歩いていった。
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