ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
次の日

本来なら、今日はカウンセリングの予定だった。

けど、朱鳥は昨日の夜中から熱を出してしまったから、中止。

でも、その代わりに北斗が家に来て、朱鳥の看病をしてくれることになった。

「じゃあ、朱鳥、行ってくるね。今日は、当直だから帰れないけど、何かあったら、北斗に伝えてね。」

コクン

頷いたものの、少し意識が朦朧としてそうで心配だ。

未だにトロンとした目で、ジッと俺を見つめて、切なそうに俺の服の裾を掴んでいる。

「辛いし、少し寂しいかもしれないけど、頑張れる?」

…………コクン

「偉い。ごめんね、そばにいてあげられなくて。…じゃあ、北斗、よろしくね。何かあったらすぐ連絡して。」

「うん。了解」

朱鳥が、そっと服の裾を離したのを確認して、俺は朱鳥に手を振って家を出た。
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