ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐

楓摩side2

コンコンッ

軽くノックをしてから、病室に入る。

ベッドの上では、体を起こして、辛そうに机に突っ伏する朱鳥がいた。

「朱鳥、体調、かなり悪いみたいだね。体も冷たいし、顔も真っ青……。辛いね。」

そう言いながら、朱鳥を抱っこして、俺の膝の上で向かい合わせになるように座らせる。

それからギュッと抱きしめてあげれば、俺の熱が冷たい朱鳥の体に伝わっていく感じがする。

「……楓摩…あった……かい…………。…でも、なんか目がぐるぐるする……。気持ち悪い…」

「吐く?」

コクン

俺は、机の上にあった桶をとって朱鳥の背中をさすった。

「ゲホッ…ゴホッ…………オエェ…」

朱鳥は、俺が来る前から既に吐き尽くしていたのか、出てくるのは胃液ばかり。

それでも、吐き気が止まらないようで、とても辛そうだ。

「朱鳥、そんなに辛いなら一旦寝よっか。寝たら、少し体も休めるし、辛くもないよ。」

コクン

「……でも、寝れない。」

「んー、じゃあ、俺が朱鳥が寝付くまでこーやってギュッてしてあげる。そしたら、暖かいし、安心できるでしょ?」

コクン

「うん。じゃあ、寝よ。おやすみ。明日には辛いのが回復していますように」
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