ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
そうは言ったものの、朱鳥はなかなか寝付けない様子で、俺の肩に顔をスリスリとしてくる。

表情はわからないけど、荒い息や熱い体から辛さが滲み出ている。

時折聞こえる、小さな呻き声も苦しさの証拠だろう。

少しウトウトとしてきたかな…と思うと、すぐに朱鳥はパチッと目を覚まし、少し怯えた様子をみせる。

うたた寝状態ですら、おじさんは朱鳥の夢に出てきて朱鳥を苦しめるらしい。

……早く、治ればいいのに…

朱鳥が苦しくない、辛くない世界にしたいのに……

俺は、無力だ。

こうやって、慰めてあげられるだけで、北斗みたいにメンタルの面でのケアも上手く出来ないし……

な引かひとつでも、俺に出来ることがあれば…………
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