ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
そのあと、朱鳥が目を覚ましたのは夜中だった。

みんな寝静まったて、ベッドライトだけつけている状態で、朱鳥はうっすら目を開けた。

「朱鳥、おはよう」

「…………はよ…」

ものすごく小さく、か細い声。

きっと、まだ熱のせいで辛いんだろう。

喋ることすらもだるいのかもしれない。

また、眠るまでそっと傍にいてあげる方がいいかな……

そう思って黙っていると、朱鳥は俺の白衣の裾を少し掴んで引っ張った。

「どうした?」

少し、朱鳥の口元に耳を近づけると、本当に小さい声で

「抱っこ…………して…」

と聞こえた。

辛いから、きっと不安で寂しさとか、甘えたい気持ちも大きいんだろうな。

俺は、頷いてから、朱鳥を抱っこしてギュッと抱きしめた。

体が熱くて、辛そうな朱鳥を見ていると本当に胸が痛む。

弱くて、小さくて、儚い。

俺が守らなきゃ。

俺が助けてあげなきゃ。

そんな気持ちが大きくなる。

「大丈夫だよ。俺がいるから。頑張れ……」
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