ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
「朱鳥っ!?朱鳥、大丈夫??どうした?」

「っはぁっ!!…しんぞ…………っ痛いっ!!……はぁっ!!痛いっ、痛いっ」

「心臓!?…………この前もあったよね。ちょっと待って、とりあえず落ち着いて過呼吸苦しいよね。ほら、ゆっくり呼吸して」

楓摩に抱き抱えられ、背中をさすられる。

少しずつ呼吸は落ち着くけど、心臓が痛いのは変わらない。

「朱鳥、ちょっとごめんね。聴診するよ。」

冷たい聴診器が当てられる。

キューツて締め付けられる心臓。

怖いよ……

「………………」

この沈黙が怖い

何かあるんじゃないか…って

「雑音はないね。……でも、前もあったし続いてるから、明日あたりにでも検査しよっか。」

「…検査?」

「大丈夫だよ。エコーとるだけ。朱鳥は寝そべってればいいから。」

楓摩に再び抱きしめられて、背中を優しくなでられる。

「大丈夫。大丈夫。」

そう言われると、涙が出てくる。

熱と痛みのせい……

って思いたかったけど、きっと違う。

私は、楓摩に全体重を預けて、目を閉じた。

それからまもなく、私は眠りについた。
< 322 / 418 >

この作品をシェア

pagetop