ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
ハッ……!!

目を覚ますと、びっしょりと汗をかいて、私はベッドの上にいた。

……あ、そっか、ここは病院。

…大丈夫、私を傷つける人はいないって、楓摩は言ってた。

大丈夫。大丈夫。

そう思うと幾分、気分が落ち着いた。

けど、逆に寂しさが増えていく。

"いっぱい、泣いていいから"

楓摩のその言葉が蘇って、胸がキュッとなる。

「うぅっ…………」

私は、できるだけ声を押し殺して泣いた。

なんの涙かわかんないけど、たくさん泣いた。

ベッドや枕がびしょびしょになって気持ち悪いくらいに泣いた。

でも、気持ちは収まらなかった。

泣き続けていると、いつの間にか楓摩が来ていた。

いつの間にか、楓摩に抱っこされていた。

それでも、私は泣き続けた。

今日は、なんだか変な感じだ。

無償に泣きたくて、泣いてしまう。

泣き続けても、泣いてしまう。

私は涙が枯れても泣き続けた。
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