ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
「ママ、おんぶ!!」

「ママ、抱っこー!!」

そう言われて、朱鳥は二人ともの願いを叶えてあげるために抱っことおんぶをする。

「走って~」

そう言われて抱っことおんぶをしたまま、部屋を何周もグルグルとさせられて、さすがに俺も変わろうと思ったのに

「でも、私も楽しいから」

と明らかに無理をしている顔で言われた。

そのあと、遊び疲れた二人を寝室に寝かせに行って、朱鳥は疲れた顔でリビングへ戻ってきた。

「朱鳥、大丈夫?無理してるでしょ」

「大丈夫だよ。……私がいなかった分、二人と遊んであげたいから…。でも、ちょっと……疲れた…………ハハッ…」

そう言い終わるか言い終わらないかのところで、朱鳥は前のめりにグラッと倒れた。

俺は、焦りながらも、キャッチし、朱鳥をソファに寝かせてあげる。

「……ほら、無理してるじゃん。頑張りすぎたら、また体壊しちゃうよ?朱鳥が、二人のこと考えて頑張ってくれてるのは嬉しいし、二人も朱鳥と遊べて嬉しいと思うけどね、体壊してまた長く入院することになったら嫌でしょ?もう少し何事にも力抜いてリラックスしていいんだよ?」

そう言って、朱鳥の頭を撫でてあげると、朱鳥は少し涙を流した。

「…わ……たし、不器用だから…………上手く、出来ない。ごめんね…ごめんね……」

そう言ってポロポロと泣き出されてしまうと、少し困る。

「違うんだよ、朱鳥を怒りたいんじゃなくて、俺は朱鳥が心配なだけ。また、朱鳥に辛い思いを繰り返して欲しくないからさ。よしよし、泣かないで。いっつも、二人の面倒見てくれてありがとう。」
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