ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
「……昨日何した?」

「朱鳥が寝たくないって言うから、ふたりで夜更かしして映画見たりしてリラックスしたよ。」

「そっか…。もしかしたら、昨日昼間にかかった大きいストレスのせい……かな。…あとは、昼辛かったのと夜楽しかったことのギャップによるストレスかな…………」

北斗による詳しい説明を聞いてみると、どうやら幼児退行は強いストレスがかかった時に、大人でもなることがあるらしい。

1日、自由にさせてあげたり、カウンセリングをすることで収まることが多いらしい。

朱鳥の場合は、赤ちゃん言葉とまではいかないけど、幼い言葉を喋り、いつもより甘えたがる。

すぐに抱っこを求めてきて、俺が離れようとするとぐずってしまう。

「やあ!!いっちゃ、やぁ!!」

と言って、俺の服の端をぎゅっと掴む。

そして、北斗が一定以上近づくと、俺の後ろに隠れた。

これは、辛いことやPTSDから自分の心を守るために起こる症状らしい。

自分の安心出来る人に甘え、それ以外の人には拒否反応を見せたりする。

北斗の話からすると、朱鳥の場合1日俺が朱鳥のそばについてあげられるのが最善らしい……

けど、あいにく今日は大きな仕事が入っている。

北斗と相談し、朱鳥にも事情を話し俺は出来るだけ早く帰ってくることを前提に仕事へ出かけた。

その日のうちはずっと朱鳥のことが気がかりでならなかった。
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