ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐

今日は、北斗はなしの俺とおじさん一体一の話し合い。

開始早々、おじさんが口を開く。

｢なあ……｣

｢はい。｣

｢俺……後悔したよ。悪かった…って思う。｣

そんな言葉も、疑いを持たずにはいられない。

けど、前と違ったとは、その雰囲気だった。

｢俺さ、この前お前らが来てから今日まで、毎日のように夢見るんだ。…俺が俺に殴られる夢。……夢って、すごいな。実際は殴られてないはずなのに、ほんとに痛く感じる。…………俺、あんな力で、子供殴ってたのか…って思ったら、本当に申し訳なくなった。……いつも、痛くて、怖くて目が覚めるんだ。…これ、あいつは俺のところからいなくなった後、ずっと体験してたんだよな……｣

ポロ…ポロ……

とおじさんから涙がこぼれる。

｢機嫌悪かったから…とか、そんな理不尽な理由で毎日殴ってた過去の自分を殴りたい。…………前、お前言ってたよな"腐っても親"って。あれ、俺、昔自分の親に向かって思ってたんだ。俺の親は、日常的に殴ってくる親だったからさ……。だからって、それを自分より小さい子供に向けるなんて、良くないよな……。今になって、やっと気付いたよ。｣

虐待の連鎖……

おじさんは実の親に虐待され、それを朱鳥にもした。

前、北斗が言ってた。

"虐待されて育った子のほとんどは、自分の子供にも虐待をする。虐待されてきたから、子供とどう接していいかわからないんだ。"

それも、おじさんが朱鳥に虐待してきた理由のひとつなのかもな……

｢今度、朱鳥が会ってもいいって言うなら、俺、あいつに謝りたい。…いや、謝らせてくれ。｣

頭を下げて、そう言ったおじさん。

｢……その気持ち、本気で受け取って、いいですか？｣

信じても、いいのかな……

もし、おじさんが朱鳥に優しく接してくれたら、朱鳥のPTSDも楽になる。

｢もちろん。……俺は、本気であいつに謝りたい。…よろしく頼む……いや、よろしく…お願いします…………｣