ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
「朱鳥、大丈夫?過呼吸か…。苦しいから、1回起き上がって、落ち着こう。」

そう言って楓摩は、私を支えて背中をさすってくれる。

けど、また楓摩に迷惑……

「…………ヒック………ふ……ま…」

「大丈夫だよ。無理に喋らなくていいから、とりあえず苦しいから、呼吸、元に戻そう?俺に合わせて、ゆっくり吸って…吐いて……吸って…吐いて……」

ゆっくり呼吸しようと思うのに、焦ってしまって、上手くできない。

「朱鳥、焦らなくていいよ。ゆっくり。体の力抜いてご覧。」

そう言った楓摩にギュッと抱きしめられると、不思議と体の力が抜けていく。

「そうそう、その調子だよ。ゆっくり。焦らず。」

5分ぐらいかけて、私の呼吸は落ち着いていった。

でも、同時に忙しい楓摩に、迷惑をかけた罪悪感が襲ってくる。

「…楓摩…………ごめんね……」

「ん?なんで?」

「だって……楓摩、忙しいのに、迷惑かけた…………」

「……そっか、ありがとう。苦しかったのに、わざわざ俺のことまで考えてくれてたんだね。ありがとう。やっぱり、朱鳥は優しいね。」

そう言って、楓摩は、迷惑がかかって嫌そうにしてもいいのに、優しく笑って頭を撫でてくれる。

「じゃあ、今、お粥持ってくるね。」

そう言って楓摩は再び私をソファに寝かせてから、台所へと向かった。
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