ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
「ねえ、朱鳥」

「ん?なあに?」

「……ちょっと、目、瞑って」

「え…?」

「いいから」

俺は、焦りつつも、目をつぶった朱鳥の手を引いて、たくさんのドレスがある部屋へと連れていく。

理由をつけようと思ってたけど、理由なんてそんなもの浮かばなかった。

だから、ちょっと無理矢理だけど……

「目、開けていいよ」

そう言うと、朱鳥はゆっくりと目を開ける。

そして、何が起こったのかわからないような驚いた顔をする。

「え、これ…どうしたの……?」

「…………サプライズ」

「えっ」

「俺ら、忙しくて結婚式出来なかったでしょ?…だから。」

すると、朱鳥の顔にだんだんと笑顔が浮かんでくる。

よかった……喜んでくれた

「じゃあ、朱鳥は好きなドレス選んで」

「うんっ!!」

嬉しそうな顔でドレスを夢中で選び始めた朱鳥に見つからないようにそっと部屋を出る。

そして、葉月と柚月が先に待っている部屋へ向かう。

「あっ、パパー!」

「パパおそーーい!」

「ごめんごめん」

葉月と柚月はもうとっくに着替え終わっていて、葉月はドレスに花冠、柚月はタキシードで髪をかっこよくセットしてもらっている。

予想をはるかに超える可愛さにメロメロになりつつも、俺スタッフの人に手伝ってもらいながらタキシードを着る。

式はあと数分後……
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