ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
「……すか…朱鳥」

肩を優しく揺すられて目を覚ます。

ゆっくり目を開けると、そこには心配そうな表情の楓摩がいた。

「朱鳥、大丈夫?病院、行こうか?」

楓摩は、そう聞いてくれたけど、私は首を横に振った。

「熱もないし、きっと、明日には治ると思うから、大丈夫だよ。」

私がそう言うと、楓摩はまた心配そうな顔になって、それから、そっと私の頭を撫でてくれた。

「そっか。じゃあ、明日まで様子見ようか。ご飯、出来たけど食べれる?食べれなかったら、無理に食べなくてもいいけど…」

「うん…。ごめん、食欲ないや。」

そう言うと楓摩はまた、"そっか"と言って、優しく頭を撫でてくれた。

「じゃあ、もう今日は安静にしてな。明日には治るといいね」

「うん」

「おやすみ」

「おやすみ、楓摩」

楓摩は、私が寝付くまで、ずっと側にいてくれた。

お陰で、私はぐっすりと眠ることが出来た。
< 4 / 418 >

この作品をシェア

pagetop