ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐

朱鳥side

不安な毎日が続いていたある日

朝起きると、なんだかお腹が張っている

その瞬間、不安と嫌な想像が一気に襲いかかってくる。

私は、怖くてそのままナースコールを押した。

"はい、どうされましたか?"

「あ、あのっ……お腹、張ってる感じがしてっ…」

そう言うと、看護師さんは少し焦ったように"すぐ先生呼びますね"と言ってくれた。

もしかしたら、このまま赤ちゃんが産まれちゃうのかもしれない……

予定日までは、まだ少し日にちがあるし…………

私は、枕元のスマホを使い、震える手で楓摩にメールを送った。

"朝起きたら、お腹張ってて、もしかしたら産まれちゃうかも…
今から先生に見てもらいます"

そう送ると、それから数分もしないうちに焦った様子で楓摩が病室に入ってきて、それとほぼ同時に先生も病室に来てくれた。

少しお腹を触って確かめてから、先生は持ってきたエコーを使って診察

私は怖くて、ずっと楓摩を手を握っている。

そして、少しすると、ジェルが拭き取られて先生が私の方に向き直る。

「赤ちゃん降りてきてるから、今日中にお産になると思うよ。予定日までは少しあるけど、このくらいならなんとか大丈夫だと思うから、陣痛来たらもう1回呼んでね。不安だろうけど、大丈夫だよ!頑張ろうね!!」

「はい……」

大丈夫という言葉にホッとすると同時に、今日中にお産があるということで緊張もしてきた。

楓摩は、そんな気持ちを見透かしたように私の頭をポンポンと撫でてくれた。
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