ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
「朱鳥っ!?」

俺がそういうのとほぼ同時のタイミングで看護師さんが声を上げる

「先生っ出血、止まりません!!」

「…っ…………わかった。とりあえず、赤ちゃんは新生児科に引き継いで!!母体の出血早く止めるよ、ガーゼ持ってきて、あと昇圧剤も!!念の為輸血も確保して!!」

「はいっ!!」

和やかな空気に包まれていた分娩室が一気に張り詰めた空気になる。

俺も医者だから何をしないといけないかはわかる。

大量の出血

しかも朱鳥の場合は、他の人よりも体力がないから、すぐに命取りになる。

だから、一刻も早い処置が必要だ。

俺も、動かなきゃ……

そう思うけど、頭が真っ白になって、足が動かない。

「楓摩!!朱鳥ちゃんは俺が助けるから、お前はそこで朱鳥ちゃんの手を握ってて。意識戻ったら教えて。」

「…わかった。」
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