ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
「まっま、まっま!」

そう言って、私の事をペチペチと叩く柚月。

「んー?どうしたの?」

私は、大きく欠伸をして目をこする。

目を開けると、寝ていたはずの柚月が、お座りをして私をペチペチと叩いている。

「目、覚めたの?…というか、随分元気そうになったね~」

そう言って、私は柚月の頭を撫でる。

「まんま、おっお、おっお」

柚月の言う"おっお"とはミルクの事。

昨日までは、具合悪そうに何も言わなかったのに、この様子だと熱も下がったみたい。

そう思いながら、柚月を抱っこしてミルクをあげる。

柚月は、元気よく吸い付いてコクコクとミルクを飲んでいく。

コンコンッ

「朱鳥、入るよー」

そう言って楓摩が入ってくる。

「あ、柚月ミルク飲んでる。様子も元気そうだね。」

楓摩は、そう言って笑い、それから私の隣に椅子を持ってきて座った。

「柚月、熱下がったみたいだね。よかった。陽向に言えば、明日か明後日には退院させてくれるんじゃない?」

「うん。本当よかった」

私は、そう言って柚月を見る。

すると、柚月は口を離し、それから

「あぅ」

と言った。

私と楓摩は、お互いに笑いあった。

とても、幸せだった。
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