ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐

動物園

「まっま!わんわ!!わんわ!!」

「ぱっぱ!にゃーにゃーもー!!」

そう興奮気味に話すふたり。

私たちは、今日楓摩の休みを使って、家族で近くの動物園へ来ていた。

葉月と柚月は動物園は、初めてで、ものすごく興奮している。

私たちが押してるベビーカーを、小さな手でバシバシ叩いたり、動物を指さして私たちに報告してくれる。

「あー!!ちゅっちゅいるー!!」

"ちゅっちゅ"とは多分鳥のこと。

家の近くにいる雀とかと、動物園の鷲を同じにしちゃダメだよ(笑)

"わんわ"は多分、犬の事なんだろうけど、柚月はオオカミを指さしてる。

"にゃーにゃー"は猫。

だけど、それもヒョウを指さしていて、どれもあっていないのが可愛い。

楓摩も、ずっとニコニコして幸せそうだ。

「ぱっぱっ!!めーめーいるよ!めーー!!」

葉月は、そう言いながら、羊のいる方向を指さす。

「ほんとだ。いっぱい、めーめーいるね~」

楓摩は、そう言って、葉月を抱っこして、羊の小屋に近づく。

みんな、楽しそう。

こうやって、家族で過ごせるのって幸せだな…

昔は、こんな幸せが来るなんて思ってもいなかった。

まさか、自分が楓摩と結婚できるなんて…

まさか、自分に子供が産まれるなんて…

まさか、自分が生きてるなんて……





"生きている"

その当たり前が、私を幸せにした。

楓摩が"生きている"から、私は楓摩と結婚できた。

葉月と柚月が"生きている"から、今、私は幸せな気持ちでいれる。

今、私が"生きている"から

昔の私が頑張ったから

今、幸せがある。

そう思うと、なんだかこの時間がとても凄くて、素敵なもののように思えた。

これからは、ずっとこの幸せが続くんだ……
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