ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
楓摩side


あれ、数値が変だ……




俺が今見ているのは、朱鳥の今回の定期検診の結果。

朱鳥は、もう小児では無くなったため、俺は担当から外れたが、俺は朱鳥の旦那として、朱鳥の担当を受け継いだ先生から、結果を預かっていた。

簡単な診察と採血の検査結果が出て、結果を開く。

診察では、少し熱があったのは気になったけど、それ以外は問題なし。

だけど、採血の結果の数値が少しおかしかった。

白血球の数が…少ない……







もしかして…再……発…………?







いやいや、まさかね……

だって、最近、あんなに順調だったじゃないか。

朱鳥の病気が治って、俺らは結婚して、子供を産んで、葉月と柚月も元気に育ってきた。

…まさか、そんな幸せの真っ最中に…………

「うま……楓摩!!」

自分の名前を呼ばれて、ハッと我に返る。

「…なんだ、陽向か…………」

「なんだってなんだよ。せっかく、心配してやってんのに。…どうしたんだよ、そんな暗い顔して……」

陽向は、そう言って、俺にコーヒーを渡してくれる。

俺は、陽向にお礼を言ってから、パソコンの画面を指さした。

「…これ、見て……」

「ん?何?誰の検査結果?」

陽向は、そう聞きながら、結果を見る。

すると、みるみるうちに、陽向の顔から笑顔が消えていく……

「…これ、朱鳥ちゃんの…………?」

俺は小さく頷く。

陽向は、小さく

「そっか…」

と答えた。
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