ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
「ただいまー」

葉月と柚月を寝かしつけた後、私がソファでウトウトとしていると、楓摩が帰ってきた。

リビングに入ってくると、すぐに私の所へ駆け寄ってくれる。

「朱鳥、大丈夫だった?久翔は、頑張ってたって言ってたけど、我慢してない?大丈夫?」

楓摩は、そう心配してくれる。

きっと、楓摩の中では、私は何年か前の、まだ泣き虫だった高校生のままなんだな。

「大丈夫だよ。…やっぱり痛かったけど、我慢できた。」

私が笑ってそう言うと、楓摩はホッとしたような顔をして、私の頭を撫でた。

「よかった。…凹んでると思ってたけど、朱鳥、強くなったね。偉い。」

そう言って、楓摩は私の頭を撫で続ける。

「楓摩、くすぐったい」

私がそう言うと、楓摩は、私の顔を見てから、ニコッと笑って私をギューっと抱きしめた。

楓摩から温かい体温が伝わってくる。

私の中の不安が、スーッと小さくなっていったのがわかった。
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