ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
プルルルルル♪

プルルルルル♪

泣き続ける2人をなだめていると、突然電話がかかってきた。

携帯を見ると、"朱鳥"の文字。

少し驚きながらも電話に出る。

「もしもし」

"もしもし、楓摩?"

「うん、そうだけど、どうした?何かあったの?」

"ううん。ちょっと、電話したくなっただけ。……って、泣き声聞こえるけど2人、泣いてる?"

さすが朱鳥。

朱鳥なら、泣き止ませられるかな…

そう思って少しホッとする。

「そうなんだよ、2人ともママがいないって泣いちゃって……」

"そうなの?じゃあ、ちょっとビデオ通話にするね。"

そう言うと、朱鳥はビデオ通話にして、俺は泣いてる2人の方へ携帯を持っていった。

"葉月ー、柚月ーママだよー"

朱鳥がそう言うと、2人はピタッと泣き止む。

それから携帯を見て驚いた顔をしてから

「まんまっ!まんまっ!!」

「まんまだー!!」

と言って、携帯に顔を近づける。

"あ、2人とも、泣き止んだ。ごめんね~、これからしばらく帰れないけどいい子に待ってたらすぐ帰ってくるからね"

朱鳥がそう言うと2人は嬉しそうに笑って、朱鳥の事を呼ぶ。

"はいはい、これから毎日電話かけてあげるからね。毎日いい子に待っててね"

そう言って朱鳥が微笑んでいるのを見ると、子供たちだけでなく、俺までも安心する。

きっと、副作用はあるんだろうけど、まだこうやって笑える元気があるって事だ。

「朱鳥、ありがとう。じゃあ、もう朱鳥も疲れるだろうし切るね。」

"うん。じゃあ、また明日ね、おやすみ~"

そう言って俺は朱鳥と電話を切った。
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