ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
「…ん………………」

朱鳥は、わかっているのかいないのか…それでも小さくコクンと頷いてくれた。

俺は、朱鳥をそっと抱きしめた。

すると、朱鳥はスーッと涙を流す。

「大丈夫だよ…大丈夫。」

俺はそう言いながら朱鳥の背中をさする。

「…ふ…………ま……」

朦朧としながら俺の名前を呼ぶ朱鳥。

何回も呼んでは、何度も涙を流す。

久しぶりに見た、こんな弱々しい朱鳥。

俺は、しばらく朱鳥を抱きしめ続けた。
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