ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
「えっ?」

俺がそう言って戸惑っているうちに、朱鳥はヨロヨロと起き上がって俺に抱きついてくる。

俺は、それを受け止めて抱き返す。

「……………………楓摩…………んで…?」

「えっ?」

朱鳥は、ボソッと何かを言ったが、上手く聞き取れなくて聞き返す。

すると、朱鳥は涙声で、少し声を大きくした。

「……な…………んで?………………なんで…わ……たし……………なの?」

今度はちゃんと聞き取れて、俺は少し驚く。

「…わ……たし………………がんばった………のに…………また…私…………なんで?…なんで私なの?……辛いよ…………ヒック…疲れたよ…………グスッ」

俺が、かける言葉を失っていると、朱鳥は立て続けに言葉を続けた。

「………楓摩…を………………悲しい……顔…………させ…てる…………私………………み…んなに……悲しい…顔…………させる……………それ…が…………辛い……」

そう言って、ずっと涙を流す朱鳥。

俺は、キュッと胸が締め付けられたような気持ちになった。

朱鳥は、ずっと、副作用などが辛いんだと思ってた………

きっと、もちろん、それもあるんだろうけど、朱鳥が言ったのは違った。

…どこまで優しいんだよ…………朱鳥……

俺はギュッと強く朱鳥を抱きしめた。

「ごめんね。悲しい顔してごめんね。…朱鳥のせいじゃないから。ね?」

そう言って、朱鳥の背中をさするも、朱鳥は泣き止まずに涙の量を増やしていく。

どうしよう…………
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