ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
「楓摩っ!!呼ばれたから来たけど、どうした?」

そう言って、病室に飛び込んできた久翔だったが、久翔は朱鳥の様子を見て、すぐに事態を把握したいようだ。

その直後に看護師さんも入ってきた。

「清水先生っ、モニターとマスク、解熱剤持ってきました!!」

「ありがとう。こっちに、持ってきて。」

「はいっ!!」

久翔は、看護師さんから注射器を受け取ると、素早く朱鳥に打つ。

俺は、朱鳥にモニターと酸素マスクをつけていく。














「楓摩、終わったか?」

「うん……」

一通りの処置を終え、俺はベッドの隣の椅子に腰をかけた。

「…朱鳥ちゃん、どうしたんだ?」

そう聞く久翔に、俺は朱鳥の手を握り直してから、重い口を開いた。

「朱鳥、最近おかしいんだよ…………高い熱のせいかもしれないけどさ……辛そうに泣いて、なんかずっと我慢して……ずっと、泣きながら俺の名前呼んで………………俺、朱鳥の思ってること…わからない……」

「……………………楓摩……」

それから、しばらく沈黙が続いた。

朱鳥、朱鳥は何を思ってるの?

…なんで、何回も俺を呼ぶの?

"悲しい顔"って、朱鳥のせいじゃないんだよ?

……というか、なんでそんなに思いつめたようなことを言うの?

…………朱鳥は何を我慢してるの?

ねえ、朱鳥……

教えてよ……
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