ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
懐かしい音がする。

ピッピッピッ……

と一定の感覚で鳴る電子音。

私は、ゆっくりと重たい瞼を開けた。

カーテンが閉まっていて、よく様子はわからないけど、ここはICU……?

私の体にはモニターと点滴が繋がっている。

私は、まだ少しボーッとする頭でナースコールを押した。

"あ、清水さん。起きられました?"

「………はい…」

"今、先生呼びますねー"

ナースコールを切って、枕元に置く。

それから、することも無く天井を眺めていると、何故か私の両目からは涙が溢れていた。

ふと、頭の中にさっきの夢が過ぎる。

自己嫌悪して、また嫌になって……

ずっと前にも、こうやってなったことあったよね……

あの時は、みんなに迷惑かけたっけ……

そう思いながら、私はまた涙を流す。

…ボーッとする頭では、それ以上の事は考えられなかった。
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