TONE ~シークレットライブ~
 そして一言。

「俺が知ったのは、ライブが始まる2時間前だったよねぇ?」

「うん、そうだね」

 あ。

「それも楽譜を渡して、ライブまでに編曲してね、なんて」

「ユウくんのこと信じてるからぁ」

 とびっきりの笑顔で話す二人のかけ合いに会場から笑いが生じる。

 なんか思い出した。

 夕方、すれ違った時の電話。

『今からコレを…って2時間しかないじゃないですかー!?』

 すぐ側で聞いたあの声って……。

「それでもほぼ完成させる所が、愛してるよユウくん」

 きゃあと怪しげな黄色い声。

 おいおい。

「学校を卒業したら、俺の所に永久就職してね」

「ヤダ」

 即答するユウに笑顔で返し、マキはステージの中央に戻ってくる。
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