キラキラと輝く失意の世界で君を恋う

「いっちゃんね、結婚するんだって。

彼女とは別れてなくて、寧ろ幸せの絶頂だったの。

……夏には子供も産まれるんだって」

出来るだけダメージを受けないように。

要所だけを短く伝える。

「うそ……」

かえちゃんの声は発すると言うよりは飲むの表現が正しいくらい小さなものだった。

「でね、その相手はね……。私の、お姉ちゃんなの」

悪くない。

いっちゃんもお姉ちゃんも悪くない。
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