ペチュニアの恋文
「それっ!どこのお店っ?!」



翌日。

学校を終えると、遥は早々に自宅の最寄り駅まで戻って来ていた。

今日朋ちゃんは用事があるとかで、いつものようにお茶出来なかったけれど、少し確かめたいことがあったので丁度良かったと思っていた。

駅の改札を抜けると、家へと向かういつもの道から僅かに外れて、駅前の商店街へと足を向ける。

そろそろ夕暮れ時。商店街は混み合って来る時刻ではあるが、まだ歩きにくいという程でもない。

遥は歩きながら制服のポケットから、小さなしおりを取り出した。

昨夜、母に貰った物だ。



「えっ?買ったお店?駅前の商店街にある花屋だけど…」

「花屋さん、あったっけ…?」

あまりその商店街を歩いたことがなかったので、イマイチどの辺りにあるのか分からない。

「ガードが続いてる通りの、だいたい真ん中辺りかなぁ。確か、駅側から入ると左手にあって…。あ、隣に薬局があったわよ」



母が教えてくれたのを思い出す。

(隣に薬局…。薬局…)

すると、遠くに薬局の看板が見えた。その奥に花屋らしきものも発見する。

(あった!あそこだっ)

ゆっくりと目的の店まで近付いて行く。


確かめたいこと。それは、あのしおりが他にもある売り物なのかどうか…ということだった。

これはユウくんに貰ったものと、どう見ても同じものだ。だから、もしかしたらユウくんもこのお店で買ったのではないかと思ったのだ。
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