ペチュニアの恋文
『アオが公園へ来なくなってハルカ、すげー落ち込んでたよな。自分がきらわれるようなことしちゃったんだって、お前は自分を責めてたけど、それは違うよ。アイツが公園へ来なくなったのは、オレのせいなんだ。』

『アイツはアイツなりに色々悩んで病気のオレに気を使ったのかも知れないけどさ、そんな同情みたいなの、うれしくなんかないっての。それでハルカと会えなくなるなんて本末転倒ってヤツだよ。自分だってハルカのこと大好きなくせにさ。だから、そんなアイツに負けたくなくて「オレがハルカをおよめさんにする」って言ったんだ。』

「………」

何だか、とんでもない暴露話が書かれているのではないか?

遥は目をぱちくりさせた。

そこには、そのことが原因でユウと蒼が後に喧嘩したことなどが続けて書かれていた。

『でも、結局アオはやさしいからさ。ケンカっていうケンカにはならなかった。オレがあおるばっかりでさ。オレ的には「アオは両想いなくせに!」ってのが強くてくやしかったのを覚えてるよ。アイツはハルカの気持ちに気付いてないから仕方ないんだけどな。でも、くやしいから教えてやらないんだ。』

(ユウくん…)

この手紙は数年前に書かれたものだから当然なのだが、未だ子どもらしさが残っている…ユウくんらしい文だなぁと思った。

何より、ユウくんと蒼くんの仲の良さがその文面から伝わってきて…。

(微笑ましいね…)

あの頃。三人で毎日遊んでいた頃の二人の姿がそのまま目に浮かぶようだった。
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