【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
そもそも流が監禁や大怪我なんてしなければ
学校休まずに済んだのに。
終わったことだから口には出さなかったけど
怒ってることを前面に出して、頬を膨らませながらプリントを奪い返す私はまだまだ子供だね。
「なに、ムギちゃん怒ってんのー?」
後ろから抱きついてくる流は笑いながら私の機嫌取り。
流からフワッてチョコレートの甘い匂いしがした。
よく見たら片手にチョコアイスを持ってる流。
美味しそうだなあ、って。
勉強疲れのせいかちょっと誘惑されてみたり。
「なにムギ、アイス食いてーの?」
「...うん」
「でもこれ最後の1本なんだよなー、残念」
ククッと意地悪に笑う流に肩を落とす。
でも
「冗談。
1口だけかじったけど、あげる。食えよ」