【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
「ちょっと...暗い、暗すぎるよ紬!!」
私の隣の席に腰を下ろす梓
相変わらず綺麗な黒髪が羨ましくて、余計に落ち込んでしまう。
「はあ...梓、恋って難しいね...」
「...?、なになに、どうしちゃったのいきなり。
あんたまだ圭のこと引きずってんの?
だってそろそろ別れて二ヶ月経つじゃん、いい加減諦めなって」
「...」
違う違う
全然違う。
圭の事なんて、もうこれっぽっちも心に残ってない。
あるのは流への恋心。
でも、あんなに泣いて、あんなに傷ついて、あんなに執着してたのに
こんな簡単に圭への想いが消えてしまうなんて
ちょっとモヤモヤするというか...
私ってば軽い女?とか、ちょっとだけ自分に対しての罪悪感があるんだ。
「約二ヶ月で...相手のこと忘れて別の男好きになるって、やっぱり軽いかな?」
全体重を支えてもらってるイスに、だらしなく座りながら
梓に苦笑いで聞いてみた。
梓は目をキラッキラに輝かせて興奮状態に...鼻息が荒い。