【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
*
放課後
なんとか朝に終わらせた課題を先生に渡してやっと学校という名の鳥カゴから出られた。
窮屈なこの場所はどうしても好きになれないけど
「よう、ムギ」
寒空の下、校門前でマフラーで鼻を隠してる流が、壁にもたれながら私を待っていた。
流が"よう"って言っただけで
通りすがりの女子生徒たちが振り向く。
みんな自分に対して言ってるんじゃないかってどこか期待してるみたい。
...残念、私に言ってるんだよ。
「りゅう、どうしたの?学校まで」
「んー?ムギと放課後デートでもしようかと?」
「なにそれ...意味わかんない」
嬉しすぎて、意味わかんない
なんでこんな可愛いこと言っちゃうかなこの人。
照れ隠しで流から目線を外した。
するとフワッて。
なにかが首元がを温め始める。