【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
男2人の会話に置いてけぼりの私。
どうやら夜季の総長が流だと知らされたあの日から
グループ内の仲が悪くなって、構わず抜ける人達とそれでも残る人達で半々らしい。
元々総長になるつもりはなかった流は
仲間なんてどうでもいいし、夜季にも執着がないから
誰が抜けて誰が残っていようが、どうでもいいことらしい。
...ほんと、なんでこの人総長やってるんだろう。
「...」
それにしても暇
早く帰りたい、寒いし。
さっきまで私だけを見ていた流が
今は圭の方を向いてるから...なんかモヤモヤしちゃう。
どうせ私なんかより圭と話してる方が
流はずっとずっと楽しいんだ。
男相手に嫉妬するなんて
みっともない。
でも相手が圭だから余計にムカつく。
あんな最低野郎と流が仲いいなんて信じられないし
出来ることなら縁さえ切ってほしいのにーーー。
「...っと。
ムギの鼻赤いな」
「...っ...」
突然、私の方に顔を向ける流。
長いまつげ、大きな目、色っぽい唇
完全に油断してた。
流ってば、かっこよすぎる。