【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
震える拳で、山崎君の胸板を叩く。
でも感情がぐちゃぐちゃで、それに完全に脱力しきった体じゃ迫力もなにもなかった。
「健気だねー紬ちゃん...ほんと健気。
でもそんなんじゃ、この汚い世界生きられないよ?」
ーーーバチン!!!!!!と響く乾いた音。
神庭さんも神庭さんと闘ってる不良達も音の正体があるこっちに一斉に目をやる。
ジンジンと頬に伝わる痛み。
叩かれた、おもいっきり、手加減なしで山崎くんに。
「な...んで...」
「...もうお前は俺達の仲間じゃねー...つまり守ってやる義理も、笑い合う意味もねーんだよ。
...最初っからお前のこと気に入らなかったんだよ」
「...っ...!」
「なにが姫だよ...。お前を守るために何人者の仲間が怪我してんだ。
たくよー...トップの女っていう自覚がなさすぎる、敵に狙われてることも知らねーでウロチョロしやがって、まじでウザかったわ。」
「...」
「総長もこんな女捨てて正解だぜ...バカ女」