【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
だけど。
朝起きたら、まず最初に視界に入ったのは
鍵だけはちゃんと掛けてある窓。
でもカーテンは全開で、空が曇ってる。
きっとベッドから降りて窓を覗いたら、キラキラって。
イルミネーションが綺麗に外の世界を彩ってるんだろうけど...
この角度からじゃ...空の色しか見えないなんて...
なんだかとても切ない。
25日、クリスマス当日。
プレゼントが家のどこかに置いてあるとか
子供じゃないし別に期待していたわけじゃないけど
"できるだけ早く帰ってくる"
そう言って家を出ていった流は、夜が明けても帰ってこない、最低最悪なやつだ。
プレゼントなんかいらないから
朝起きたら、流が隣で眠っていることだけを信じて目を瞑ったのに。
「...頭...痛い...」
泣いた。
朝から泣いた。
ポタリ...って。
また枕に涙を垂らしてしまった。
別に酷いこと言われたわけじゃないし、振られたわけでもないのに
圭に別れを告げられた時より胸が痛むとか...ほんともう嫌、好きすぎる。
流のことが...好きすぎて、なんだかとても全身が痛かった。