【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
1人ってこんなに寂しかったっけ...?
流が夜いない日なんて
今までよくある事だったじゃんか。
でも...
きっとこれもクリスマスマジック。
クリスマスに1人で家に居るなんて
寂しい女だと思われたくない。
それを許さない謎のプライドのせいに......したい。
「はあ〜...なにがクリスマスよ、知らないもんそんなの...」
分かってる。
ほんとは流が居ないから寂しいって、単純な理由がここにあることぐらい分かってるけど。
心の奥の奥まで素直になれないなんて。
正直クリスマスだって関係ないし
ちょっとだけ...クリスマスで浮かれてるカップル達に嫉妬しただけ。
...待ってても来ないなら
自分から行けばいいじゃん...。
心に潜むサンタさんからの贈り物は
勇気と積極的になること。
自分から行かなきゃなんの意味もないと言い聞かせながら
クローゼットに閉まってある流のパーカーを無断で着る私は恋人気取りの痛いやつ。
でも...流のパーカー
流に抱きしめられてるみたいで...あったかいよ?
こんな事で気分が少しだけ晴れるなんて、安い女だね私は。
あんまり着込まないで、近所のコンビニに行く感覚で外に出たら、寒くてさっそくくしゃみが出た。
くしゃみの音だけ女らしいから...なんだかもう憂鬱な気分だよ。