【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー






1人ってこんなに寂しかったっけ...?



流が夜いない日なんて
今までよくある事だったじゃんか。



でも...


きっとこれもクリスマスマジック。



クリスマスに1人で家に居るなんて
寂しい女だと思われたくない。

それを許さない謎のプライドのせいに......したい。




「はあ〜...なにがクリスマスよ、知らないもんそんなの...」



分かってる。


ほんとは流が居ないから寂しいって、単純な理由がここにあることぐらい分かってるけど。




心の奥の奥まで素直になれないなんて。



正直クリスマスだって関係ないし
ちょっとだけ...クリスマスで浮かれてるカップル達に嫉妬しただけ。




...待ってても来ないなら
自分から行けばいいじゃん...。




心に潜むサンタさんからの贈り物は
勇気と積極的になること。




自分から行かなきゃなんの意味もないと言い聞かせながら
クローゼットに閉まってある流のパーカーを無断で着る私は恋人気取りの痛いやつ。




でも...流のパーカー
流に抱きしめられてるみたいで...あったかいよ?




こんな事で気分が少しだけ晴れるなんて、安い女だね私は。




あんまり着込まないで、近所のコンビニに行く感覚で外に出たら、寒くてさっそくくしゃみが出た。





くしゃみの音だけ女らしいから...なんだかもう憂鬱な気分だよ。







< 144 / 390 >

この作品をシェア

pagetop