【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
「つまんねー奴らはつまんねーものに囚われる。
お前ら暴走族はほんと見ててつまんねー、集団野郎が一丁前に喧嘩なんか売ってくんなよ」
ポトっとタバコを地面に落として靴で踏んづけ火を消す神庭さん。
神庭さんの煽り文句に「テメェ...!!」と煽りに乗った山崎君が神庭さんに殴りかかるけど
ヒョイっと軽くかわされ、神庭さんが私を担いで走り出した。
「か...神庭!!!!待てこの野郎!!!!」
後ろから聞こえてくる山崎君の声、その後から他の不良達も走って追いかけてくる。
「あっ...あの!」
「おお、生きてたか女」
「当たり前です!ていうか降ろしてください!!」
乱暴に担がれて、神庭さんが地面を蹴る度に振動が肋(あばら)に伝わってきて痛い。
「我慢しろよ、俺はなんの義理もないお前を助けてやってんだ。
今降ろしてみろ、さっきみたいに叩かれてボコボコにされるぜ?」
「ーーーッ」
「大人しく黙って俺に担がれてろよ、女」