【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
いつも素直なくせに
こういう時だけ素直じゃない流が可愛くてカッコよくて愛しい。
「ふふっ...やっぱり好きだな〜」
「あ?なんか言ったか?」
「ううん、なんでもなーい!!」
走り出すバイクがガタゴト道で私達を揺らす。
ああ、なんて愛しいんだろう...この気持ち。
流を見てるとポカポカしてくるよ
だからね、余計しがみついていたくなるの、その体温に。
*
*
いつお家に着いたんだろう...
睡魔のせいで、それと少しだけ降っていた雪のせいで体温が冷えて記憶が無い。
意識がハッキリした時、私は流におんぶされていた。
しかもこんな重いヤツおんぶしながら階段を上る流ってば、危ないヤツ。
「...流、降ろして、恥ずかしい」
「...バイク乗ってる時に眠りそうになるとか、お前危ない奴だな〜。
目半開きだったぞ。」
なにそれ恥ずかしい。
目半開きとか、絶対可愛くない
好きな人に一番見られたくなかったよ。