【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
「りゅう...いま何時?」
フカフカのベッドに降ろされて
さっそく体を包んでくれる毛布が好き。
ゴロゴロ寝転がってたら睡魔さんなんかどこかへ飛んでいった。
「残念ながら、クリスマスは終わりました」
時間を見なくても...分かってたけど。
流から告げられて悲しくなった。
私の今年のクリスマスは、好きな人がすぐ近くにいるのに、なにもせず終わった。
クリスマスマジック、馬鹿みたいに浮かれて、バカみたいに期待して...でも、やっぱりなんだか切ないね。
「...っ...」
ポロッと流れ落ちる涙
真っ暗な部屋だと油断したのが悪いのかな?
気づけば流の顔がすぐ近くにあって
でも驚きよりも、やっぱり切なくて、目の前で泣いた、すっごく...泣いたよ。
「お前...今日情緒不安定だよな?」
「だってぇ...ひぐぅ...クリスマス終わっちゃったんだもん...。
流と...っ...一緒に...」
過ごしたかった。
ただそれだけ...
ううん、ホントはそれだけじゃなくて。
クリスマスだから...魔法がかかったんだよ、だから言えると思ったの、この想い。
でも特別な日が終わっちゃったら、勇気なんて出ないし
もう言えないよ...
だって怖いもん。