【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー






「ムギ、俺、最低な奴だわ」


「...?」



流の体重でギシリと鳴り出したベッド。

隣で寝転がる流にドキッと心臓が鳴った。



「最低なヤツって...クリスマスのこと?
もういいよ、別に。
だって日付は嫌でも変わるから」



「ちげーよ...そうじゃねえ...。」


「...じゃあなにが最低な奴なの?」



手で目を擦ると、もう涙はついていなくて。



変わり始めた空気に、不安がやってきた。



少しだけ無言が続いたけど、やっと口を開いた流。




「ホントはさ...昨日、早く帰れたんだよ」


「...えっ?」


「夜季のメンバー減って、どうすっかって話だけして。
まあ別に、今残ってる奴らだけで充分だろって圭と話して。...それだけで用事は終わったんだよ」


「なら...なんで帰ってこなったの?」


「...」



ふぅ...と。
自分を落ち着かせるためにタメ息を吐くなんて流らしくない。


何言われるかドキドキで
また、不安が私を煽る。




「...帰らなかったら、お前が寂しがると思って、わざと帰らなかった」


「...っ!!??」


「だってお前、まだ圭のこと好きなんだろ?
お前を不安にさせたら...俺を意識してくれると思って。
わざと不安にさせるような行動した。」




「...」



「ごめんな?」









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